ドローンにおける「フェールセーフ」とは、飛行中に何らかのトラブルが発生した際に、ドローンが自動的に安全な行動を取るためのシステムのことを意味する。
フェールセーフは、機体を破損から守るだけではなく、自分も含めた周囲の人間の安全を守る上でも非常に重要だ。
フェールセーフの基本
フェールセーフは、ドローンが予期せぬトラブルに遭遇したときに備えて設計されている。トラブルとしてありがちな例は、以下の2つだ。
もちろん、これらのトラブルが起きていない通常時でも任意にフェールセーフ機能を実行できる。
ドローンとプロポの通信が途切れる
ドローンと操作者の間の通信が途切れた場合、ドローンは事前に設定しているフェールセーフモードを実行する。通信が途切れるトラブルは信号や磁気が不安定な場所や、障害物が多い環境で発生しやすい。
フェールセーフの主な機能
フェールセーフ機能はいくつか種類があるが、市販されているドローンの多くは「その場でホバリング」「その場で着陸」のほか、リターン・トゥ・ホーム(RTH)と呼ばれる機能が搭載されている。
RTHはフェールセーフ機能としてもっとも使われることが多い機能であり、基本的には任意で行うか、バッテリー残量が低下した時などに実行されることが多い。
RTH機能は非常に便利だが、緊急時に作動する前に、ドローンがどのように離陸地点まで戻ってくるのかを確認しておきたい。
メーカーや機種によっても異なるが、設定してる最高高度よりも現在ドローンが飛行している高度が低い場合は、上昇してから水平移動で離陸地点まで戻ってきて着陸する。逆に、ドローンの高度が設定高度よりも高い場合は、特に何もせず、そのまま水平移動で戻ってきてから着陸という流れだ。
このような動きをする際、飛行環境によって適した最大高度は異なる。また、ドローンは水平移動で戻ってくるため、障害物があればそのまま激突してしまう可能性が高い。そのため、飛行環境次第では、RTHよりもその場でのホバリングまたは着陸が適していることもある。
それぞれの機能の特徴を事前に把握した上で、飛行前に環境に応じたフェールセーフ設定を行うことが望ましい。