ドローンポートとは、ドローンを収納する形の離着陸場所であり、遠隔操縦による自動化を目的に開発された専用の施設や機器のことを指す。製品によっては、充電もしくはバッテリー交換、メンテナンスなどを自動で行う機能が設けられている。
物流や監視、点検などの長時間運用(複数回の飛行)を効率的に行うために設置されることが多い。
例えば、警備用の機体であれば、充電が切れる前にドローンが自動的に判断することでドローンポートに戻り、その後、充電が完了したら再び自動的に巡回に戻るという運用が一般的だ。飛行経路や飛行時間を事前にプログラムしておけば、毎回同じルートを定期飛行することが可能になる。
ドローンポートの主な機能
ドローンポートは使用される目的や業界の特徴に合わせて、各ポートにて機能が異なる。そのため、以下ではよく実装される機能を紹介する。
離着陸場所の提供
ドローンポートはドローンの安全な離着陸を行うための十分なスペースが確保されているものがほとんどだ。
着陸エリアは、ドローンのサイズや重量に応じて設計され、障害物や他の航空機との干渉を避けるために適切な場所に配置されることが多い。とくに巡回監視や点検を目的としたものでは、広域な土地を持つ企業の敷地内等に設置されることが多く、複数台による同時運航で効率的に巡回する例が見受けられる。
充電設備
長時間のドローン運用にはバッテリーの交換や充電が必要となるため、ドローンのバッテリーを充電するための設備を搭載しているドローンポートも多い。中には複数のドローンを同時に充電できるドローンポートも開発されている。
メンテナンス設備
ドローンは定期的なメンテナンスが必要であるため、ドローンポートにはドローンの点検や修理を行うための設備が用意されていることもある。
これにより、ドローンの安全性と信頼性を維持することができる。
管制システム
ドローンの運航を管理するために管制システムが導入されているドローンポートがほとんどだ。
このシステムは、ドローンの飛行計画の作成や、飛行中のドローンの監視、気象情報の提供などを行い、飛行時には遠隔からドローンの状況を把握することができる。また、緊急時には管制システムを通じてリモート操縦に切り替える機能も搭載されており、安全で効率的なドローンの運航を支援する。
貨物の積み込みと取り出し
物流用途のドローンポートでは、貨物の積み込みと取り出しを行うための設備が設けられている。これにより、ドローンを使った迅速な配送が可能だ。ドローン物流用のドローンポートでは、集荷用の鍵付きロッカーとポートが合体したものもあり、着陸したドローンが箱型の荷物を切り離すと自動的にロッカーに収納される仕組みになっている。