マルチコプターとは

　マルチコプターとは、3つ以上のローターを搭載した航空機のことを指し、無人・有人は問わない。マルチコプターの別称としてマルチローター、回転翼機、マルチローターヘリコプターなどがある。

　各ローターの回転数を増減したり差をつけたりすることで上昇・下降・前進・後進などの移動を行う。マルチコプターは隣り合うローターを左回転・右回転と順番に配置し、回転同士の反作用を打ち消し合う反トルクが発生するように設計されていることが多い。これにより、作用反作用の法則によりローターの回転方向と逆の方向に機体が回転することを防いでいる。

マルチコプターの種類

（出所：せりぽよが資料を元に図表を制作）

　マルチコプターは搭載されているローター数によって呼称が異なり、複数の種類がある。例えばローター数が3つのものはトライコプター、4つのものはクワッドコプター、6つのものはヘキサコプター、8つのものはオクトコプターと呼ぶ。

マルチコプターとドローンの違い

　マルチコプターとドローンの違いはローター数の下限などであり、マルチコプターはドローンの一種に含まれている。

　マルチコプターとドローンの違いを示した以下の表をもとに考えると、マルチコプターはドローンの一種だと言える。

マルチコプタードローン
ローター数3つ以上1つ以上
定義複数の回転翼を備えた回転翼機広義の無人航空機
無人・有人問わない無人のみ
着陸方式垂直離着陸垂直離着陸（マルチコプター）から水平離着陸（固定翼機など）まで

　無人航空機の総称であるドローンに対し、有人機でも採用されているマルチコプターをドローンの一種と区分するのには矛盾が生じる。

　しかし、マルチコプターは、無人航空機の中でも最も一般的で、ドローンという言葉が普及するにつれて、マルチコプターがドローンの代名詞として使われるようになった。

　また、国土交通省の「無人航空機の飛行に関する手続き等について」でマルチコプターはドローンの一種として定義されており、法律上もマルチコプターはドローンの一種とみなされている。現状では、マルチコプターはドローンの一種とみなされているのが一般的だ。