回転翼機とは、プロペラなどの回転する翼によって揚力や推力を得て飛行する航空機のこと。メインローターがひとつのヘリコプター(シングルローター)や、複数のプロペラを搭載したマルチコプター、軍用機のV-22オスプレイのようなティルトローター機(機体に対してローターの角度を変えることにより垂直離着陸時の揚力に使ったり、水平飛行時の推力に使ったりする構造を持つ機体)などが回転翼機にあたる。

機体の特徴

 回転翼機は、固定翼機と比較すると揚力を発生させるためにローターやプロペラを高回転させなくてはならない。そのためエネルギー効率は落ちるが、滑走路を必要としない垂直離着陸が可能になるほか、ホバリング(空中停止)ができるといった利点があり、さまざまな用途で活用されている。中でも、マルチコプター型はシングルローターやティルトローターに対して比較的容易に機体制御が可能なことから、ドローンにおいては一般的にマルチコプター型が多くなっている。

 マルチコプター型はプロペラが3枚のトライコプター、4枚のクアッドコプター、6枚のヘキサコプター、8枚のオクトコプターなど、プロペラの枚数が異なるタイプが存在し、構造上シンプルに構成することができるクアッドコプターが一般的に多く採用されている。

 ただし、プロペラが4枚の場合はひとつでもプロペラが機能しなくなると構造上バランスを取ることが難しく墜落のリスクが高まるため、機体が運用されるリスク環境を考慮し、1枚のプロペラが機能しなくても墜落までは引き起こさない(バランスは取りにくい)ヘキサコプターや、1枚のプロペラが機能しなくてもバランスを保つことができるオクトコプターなどを採用した機体も存在する。