東京電力ホールディングス(以下、東京電力)は、福島第一原子力発電所3号機原子炉格納容器(PCV)内部気中部調査において、2026年3月5日から3月19日までLiberaware(以下、リベラウェア)のマイクロドローンによる調査を行い、計画通り完了した。

 この調査では、PCV内部のペデスタル内部と燃料デブリの取り出しのアクセスルートとなり得る貫通孔の状態などを確認することを目的にドローンを投入した。3号機原子炉圧力容器(RPV)底部付近の映像を取得し、RPV底部の可能性のある構造物を初めて確認した。

写真:遠隔操縦室の様子、飛行するドローン

 福島第一原子力発電所の廃炉に向けた燃料デブリの取り出しには、炉内深部の状況把握が不可欠である。PCV内部は狭く暗所であり、小径の貫通孔(X-53ペネトレーション)から調査機器をインストールする必要があった。

 今回のプロジェクトでは、小型・軽量化に加え、多くの機能や性能が求められ、東京電力の支援のもと、リベラウェアは130mm×120mm、重量95gのマイクロドローンを開発し、進入が困難だったエリアへのアクセスを実現した。

 3月17日にRPV底部とみられる構造物を直接撮影したほか、CRガイドチューブやCRDハウジングといった上部構造物の損傷・付着物の状況を確認し、今後の廃炉計画の策定に資する貴重なデータを提供した。

写真:手のひらの上のマイクロドローン
開発・使用したマイクロドローン

求められたドローンの要件(一部抜粋)

  • 大きさ、重量
  • 数百メートル離れた場所からの遠隔操縦
  • 遠隔操作による電源ON・OFF、機体のスイッチイング、撮影動画のDL
  • バッテリーの着脱不要で充電可能 他

機体スペック

寸法130mm×120mm×40mm
重量95g(バッテリー込み)
通信方式無線
飛行時間約13分(調査は10分で計画)
カメラ画質2.7K フレームレート60fps
カメラ画角対角140°、水平135°、垂直107°
照明LED左右2灯(計380lm)
耐放射線性約200グレイ
備考IP52相当、横向き・縦向きカメラの2種

主な調査箇所

 今回の調査では、マイクロドローンがペデスタル内外の広範囲を飛行し、以下の重要箇所を捉えることに成功した。

  • ペデスタル外周部
    平面概略図、ペデスタル外周部の様子
  • ペデスタル内部
    平面概略図、ペデスタル内部の様子
  • RPV底部付近
    平面概略図、RPV底部付近の様子

※画像提供:東京電力
※概略図の撮影方向については、おおよその位置を示している。写真の構造物の名称についても現段階の推定となる。

 この調査で原子炉圧力容器(RPV)底部とみられる構造物や、その他構造物の状況を捉えたことは、リベラウェアの技術的到達点を示すだけでなく、廃炉に向けた歩みを前進させる大きな一歩となった。今後、取得した映像データの解析や点群化を進め、東京電力が取り組む作業のさらなる安全性向上を図るとしている。

▼調査の詳細(東京電力)
https://www.tepco.co.jp/decommission/information/committee/roadmap_progress/pdf/2026/d260326_27-j.pdf