2026年4月17日、アイ・ロボティクスは、「360°カメラ及び4Kカメラ搭載マイクロドローンによる点検支援技術」が、国土交通省の「点検支援技術性能カタログ(2026年3月)」および「上下水道DX技術カタログ(2026年3月)」に掲載されたことを発表した。360°カメラとドローンを組み合わせた点検技術が「性能評価済み技術」と「導入検討対象技術」の両面で評価され、実運用を前提とした技術として位置付けられた。
点検支援技術性能カタログは、道路分野における技術性能を客観的に評価・整理するものであり、技術そのものの信頼性や能力が問われる枠組み。上下水道DX技術カタログは、自治体や事業者が導入を検討する際の指針として整備されたものであり、実務への適用可能性が重視される。この2つに掲載されたことで、「測れる技術」であると同時に「使われる前提に入った技術」として整理された形になる。
▼点検支援技術性能カタログ(橋梁・トンネル)
https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/inspection-support/zenbun.html
画像計測技術(橋梁)_21「360°カメラ及び4Kカメラ搭載マイクロドローンによる点検支援技術」(BR010097-V0026)
▼上下水道DX技術カタログ
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/watersupply_sewerage/jyouge_dx/index.html
「360度カメラ搭載ドローンによる地下・閉鎖空間の可視化・点検ソリューション」(P.109)
従来のインフラ点検では人が目視で確認していたが、狭小空間や危険箇所では作業効率や安全性に課題があり、点検品質も個人の経験に依存する傾向があった。アイ・ロボティクスは、360°カメラと4Kカメラを搭載したマイクロドローンにより狭く閉鎖的な空間の点検を遠隔で行い、現場のデジタルアセットとして付加価値を与えることで設備の劣化度合いを評価し、その後の施工計画に資する報告書作成までをワンストップで提供している。
今回のカタログ掲載技術は、従来の俗人的な点検に代わり、空間そのものをデータとして取得・記録することで、再現性のある点検を実現する。
国土交通省の標準試験では、ひび割れ検出性能において最小0.04mmレベルの微細損傷の検出が可能であることを確認している。また、点検対象のデータを短時間で取得することで、従来の足場設置や高所作業を伴う点検と比較して大幅な時間短縮が期待される。さらに、取得した画像データをオルソ化や点群・BIM化、3Dガウシアンスプラッティングのデータとして加工・解析することで、座標や距離といった幾何情報の算出が可能。単なる記録ではなく定量的に評価・比較ができ、その後の機械化施工におけるロボット制御用のデータとしても活用できる。
アイ・ロボティクスのサービスは設備撮影にとどまらず、取得したデータを点検プロセス全体に統合する構造を備えている。事前調査を行い飛行計画を練った上で、360°カメラにより空間全体の情報を取得し、4Kカメラで損傷の詳細を捉える。必要に応じてそれ以外のデータも組み合わせて解析・構造化することで、計測・比較・評価をワンストップで提供する。
簡易スクリーニングから本格測量、3D再現、点群統合、構造物調査、報告化までを一つの設計思想でつなぐことで、点検を一過性の作業から時系列で比較可能なデータ資産へと変換する。
今回のカタログ掲載技術により、従来は人が実施していた作業を遠隔操作によるデータ取得へと変え、映像や数値として保存・再利用が可能になる。蓄積された情報資産は意思決定の質を高める基盤となり、インフラ設備のDXを加速させる。
アイ・ロボティクスは、「空×地上×AI」を統合した全方位デジタル化をコンセプトに技術開発を進めてきた。今後この技術をもとに、道路・上下水道だけでなく、鉄道、プラント、エネルギー施設など、より高度な点検ニーズが求められる分野へ展開するとしている。AIによる損傷抽出やデジタルツイン連携、時系列比較による予兆把握などを進め、インフラ維持管理におけるデータ活用の高度化に貢献する方針だ。
