2026年2月3日、そらいいなは、長崎県五島市福江島において処方薬のドローン配送を開始したと発表した。患者から配送料を徴収し、医師の処方に基づいて調剤された処方薬を配送する。

 2025年11月より、玉之浦地区の特別養護老人ホーム(たまんなゆうゆう)向けに処方薬のドローン配送を開始。今後、高齢化・過疎化の進む地域における医療アクセスの確保と医療・介護現場の負荷軽減に向けて取り組みを進める。

 同施設には五島市福江島内の薬局が医薬品を定期配送しているが、患者の体調変化や往診の結果により急な対応が必要となる場合がある。当該薬局までは車で片道約1時間を要するため、同日中の受け取りが困難な場合は翌日になることもあった。

 こうした課題に対し、そらいいなはオンライン服薬指導とドローン配送を組み合わせた取り組みを開始した。長距離飛行が可能な米国Zipline社の固定翼ドローンを利用し、事前に飛行許可を取得した指定経路に沿って飛行させる。陸路では60分かかる距離を25分で飛行し、施設周辺に設けた受取場所に処方薬を配送する。

【運用フロー】
① 医師が往診またはオンラインで診察し、処方箋を発行
② 処方箋を薬局へFAX送信(後日、原本を郵送)
③ 薬局の薬剤師が処方箋を受領後、調剤および患者へのオンライン服薬指導を実施
④ そらいいなスタッフが調剤済みの処方薬を受け取り、発射拠点(五島市中心市街地から車で約5分)からドローンで配送
⑤ たまんなゆうゆう周辺の受取場所(施設から車で片道10分)で施設スタッフが処方薬を受け取る

福江島の発射地点(そらいいな)から受取場所(たまんなゆうゆう)までの配送経路
配送経路
活用するドローンの概要(機体性能)
活用するドローンの概要(配送方法)

【機体諸元】

機体名Zipline製Sparrow
外寸翼長 3,300mm、機体長 1,900mm
最大飛行距離往復160km(拠点を中心に半径80km)
最大離陸重量21.0kg
積載量最大1.75kg
最大飛行速度100km/h

 そらいいなが施設や薬局から連絡を受けた後、最短約60分で処方薬の受け取りが可能であり、必要な薬を迅速に患者に届けることができる。また、医療機関の統廃合が進み、高齢化により移動手段が減少するへき地では、医療・介護施設の負荷を減らしながら医療へのアクセスを確保する取り組みとして期待される。

 そらいいなは今後、五島市福江島内の高齢者施設に加え、福江島内各地域、五島市二次離島の住民などに対する処方薬配送の可能性を検討し、持続的な運用モデルの確立を目指す方針だ。