VOLLMONTホールディングス(以下、フォルモント)は、車両の片側交互通行の誘導を自動化した車両片側交互通行誘導システムを改良するとともに、交通誘導警備ヒューマノイドロボット「Comune+ Walker」と連携し、きめ細かい交通誘導警備が行える「Comune+ model-S 2.0アドバンス(コミューンプラス モデルエス2.0アドバンス)」を開発したと発表した。

 また、AI交通誘導システムの開発加速と首都圏への導入を目的とした新会社「株式会社VOLLMONT AI誘導テクノロジーズ」を2026年度に設立し、AI交通誘導システムの早期社会実装を目指す。

 フォルモントは、片側交互通行におけるAI交通誘導のレベル分けを行い、首都圏など交通量が多く難易度が高い現場においても利用可能なAI交通誘導システムの開発を進めている。

 さらに今回、歩行者誘導システムの新製品「工事現場包括見守りシステム25」を開発した。

車両片側交互通行誘導システム「Comune+ model-S 2.0アドバンス」

 Comune+ model-S 2.0アドバンスは、道路工事現場における車両誘導の自動化を図るAI交通誘導システムとして開発されたComune+ model-S 2.0に対して、交通誘導警備現場での実証実験と交通シミュレーターによって機能改良を施したアドバンス版。セットアップ中に固定時間で「すすめ」「とまれ」を切り替える簡易な誘導を実施できる自動セットアップ機能を備え、誘導システムの立ち上げから信号による誘導を開始するまでに必要な時間を以前のモデルより短縮している。

【アドバンス版の新機能】

  • 交通誘導警備を目的としたヒューマノイドComune+ Walkerと連携。
  • 自立歩行を行うComune+ Walkerの誘導動作に応じて、「すすめ」「とまれ」の音声を搭載。
写真:「Comune+ model-S 2.0アドバンス」が搭載された専用車「Comune+ mini」
写真:「Comune+ mini」の車両上に掲示された「STOP とまれ」
写真:「Comune+ mini」の車両上に掲示された「進め GO 進め」
「Comune+ model-S 2.0アドバンス」が搭載された専用車「Comune+ mini」

ヒューマノイドロボット「Comune+ Walker」

「SECURITY SHOW2025」で試作出展した交通誘導用ヒューマノイドロボットの進化形をComune+ Walkerとして実装し、より交通誘導員に近い動作を実現した。車両片側交互通行誘導システム搭載専用車両「Comune+ mini」と同様のデザインのラッピングを施しており、高さは127cm、重さは約35kg。全身43か所の関節を稼働可能。

【機能改善点】

  • 自立歩行を行い、きめ細かい交通誘導警備の動作を実装。
  • Comune+ model-S 2.0アドバンスから通知された「すすめ」「とまれ」の音声を動作に合わせて発声。
写真:両手を前に出して誘導棒で止まれの合図を出すヒューマノイド「Comune+ Walker」(左)、誘導棒を持った手を上にあげるヒューマノイド「Comune+ Walker」(右)
ヒューマノイド「Comune+ Walker」

新会社「株式会社VOLLMONT AI誘導テクノロジーズ」設立

 AI交通誘導システムの開発加速と首都圏への導入を目的として、新会社となる株式会社VOLLMONT AI誘導テクノロジーズを2026年度に設立する。

 フォルモントとVOLLMONTセキュリティサービスを中心に行ってきたAI交通誘導システムの開発や現場での実証実験・運用などの機能を新会社に集約し、AI交通誘導システムの早期社会実装を目指す。

 また、片側交互通行におけるAI交通誘導のレベル分けを行い、首都圏の交通量が多く、複雑で難易度が高い現場でも利用することができるAI交通誘導システムの開発に取り組む。

フォルモントの組織体制図
フォルモントの組織体制

 VOLLMONT AI誘導テクノロジーズに所属する警備オペレーターが、交通誘導警備システム「Comune+」を工事現場に運搬し、VOLLMONTセキュリティサービスに所属する交通誘導員と連携してAI交通誘導を行う。組織ごとの役割を明確にすることで、より効率的なオペレーションを構築していく。

「VOLLMONTセキュリティサービス」と「VOLLMONT AI誘導テクノロジーズ」の連携によるAI交通誘導の概要図

AI交通誘導のレベルの定義

 車両片側交互通行の現場のパターンを整理し、難易度のレベル分けを行った。難易度のレベルは、最も低いレベル1の「直線」「押しボタン信号に隣接」から、最も高いレベル6の「工事帯体が両交差点に接続」までを整理している。Comune+ model-S 2.0アドバンスは、首都圏の難易度の高い現場での利用を想定し、レベル2以上の工事帯周辺に信号機がある現場や枝道がある現場に対応できるよう開発してきた。今後もより複雑な現場にも対応できるよう、AI交通誘導システムの開発を進めていく。

AI交通誘導のレベル

「工事現場包括見守りシステム25」の開発

 工事現場での利便性や安全性の向上を目的として、「工事現場包括見守りシステム25」を開発した。このシステムは、AIやセンサー、通信機能を組み込んだAI搭載IoT機器により安全性を高め、歩行者誘導や車両通行止めといった歩行者通行の誘導警備を効率的に行う。

 360度全方位カメラによる工事現場周辺の画像から、画像認識によって歩行者誘導路に向かってくる人を判定し、誘導路への人流をバルーンの自動伸縮によって制御する。同時に誘導員が、遠隔からタブレットを通して通行する人を見守り、サポート要請に応じて現場に駆けつけるために待機する。誘導路内での事故の原因となる自転車での通行や狭い誘導路における通行人のすれ違いによる危険性を低減するため、効果的な機能も新たに搭載した。

写真:「工事現場包括見守りシステム25」全体、バルーン部伸長時
「工事現場包括見守りシステム25」

【主な改善点】

  • 誘導路幅に合わせてバルーン長を150cmまで可変制御が可能。子供のくぐり抜けを抑止するため、バルーンの高さを地上から90cmに変更した。さらに、バルーンの伸縮に連動した注意喚起自動音声発話とパトライト点灯の機能を追加した。これにより安全性を向上させる。
  • 自動モードを新設し、誘導路に近づく人の画像認識によるバルーンの自動伸縮で、誘導員1人で出入口2か所の通行制御が可能。誘導員の作業効率を向上させる。
  • 自動モードとLTE通信により、誘導員1人でオフィスや車中からシステムのリモート操作を行い、複数現場の休憩要員を代替可能。誘導員の作業効率の向上や働き方改革、熱中症の防止に貢献する。
  • バルーンが伸長した状態をデフォルトとすることで、自転車の迂回促進あるいはバルーン手前での自転車からの降車につなげ、自動音声での注意喚起による誘導路内の降車を促進する。これにより、工事現場周辺の歩行者や自転車利用者などの安全性を向上させる。
  • バルーンの伸縮の全伸長・半開・全開の3段階開閉操作機能、伸縮状態に連動した音声指示とLED表示により、幅の狭い誘導路における歩行者の交互通行をコントロールする。これにより、誘導路通行時の安全性を向上させる。
  • 組み立てと調整が容易で分割可能なシステム構造により、重量物の運搬をなくし、短時間の組み立て・分解や設置位置移動の労力、作業時間を短縮する。