2025年10月1日、グリッドスカイウェイ有限責任事業組合(以下、グリッドスカイウェイ)は、新たに東北電力ネットワークと電源開発送変電ネットワークの2社が加わり、全国の主要な送配電設備を保有する事業者が揃う15社連携体制を構築したと発表した。
これにより、北海道から沖縄まで日本全国で、送電線上空を活用したドローン航路プラットフォームを統一仕様で展開できる体制が整った。グリッドスカイウェイの活動は、政府が推進する「デジタルライフライン全国総合整備計画」と一致しており、現在検討が進められている無人航空機の運航管理(UTM)に関する制度やドローン航路登録制度との連携を目指すとしている。電力設備の点検や災害対応、物流など、社会インフラとしての活用を拡大する先進的な取り組みを推進する。
グリッドスカイウェイは、2025年1月より東京電力パワーグリッドと中国電力ネットワークに対して、航路プラットフォームを活用したドローン自動飛行サービスの商用提供を開始し、遠隔からの電力設備の巡視・点検が実施されている。
関東地方、中国地方を中心に4,600kmの事前準備が完了しており、順次ドローン自動飛行サービスの提供範囲を拡大していく。この航路プラットフォームは、電力業界のほか、インフラ事業者や大型プラント所有者とも連携を進めており、活用範囲を産業横断的に拡大している。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業/デジタルライフラインの先行実装に資する基盤に関する研究開発(ドローン航路)」の成果として2025年3月に秩父エリア・浜松市で開通したドローン航路の知見を活用し、2027年度までに全国1万km超の送電線上空のドローン航路整備を目指す。
グリッドスカイウェイは、今後以下の3つの柱を中心に事業を推進する。
- 全国統一の仕様に基づく送電線上空のドローン航路の拡大
- 災害対応、物流など社会的ニーズの高い利用用途への適用検討
- 政府が策定する各種制度や国際標準に準拠した運航管理システムとの連携
【各社の役割】
電力設備の巡視・点検にドローンを実装するための従来型業務の見直し、導入に向けた環境整備
- 東京電力パワーグリッド
- 中国電力ネットワーク
- 東日本旅客鉄道
- 北海道電力ネットワーク
- 中部電力パワーグリッド
- 北陸電力送配電
- 関西電力送配電
- 四国電力送配電
- 九州電力送配電
- 沖縄電力
- 東北電力ネットワーク
- 電源開発送変電ネットワーク
ドローンの業務実装に不可欠な高い安定性を持つITシステムの構築
- NTTデータ
- 日立製作所
- アジア航測
