2022年1月17日、三菱電機は、4周波数帯に対応した世界最小(同社調べ)の高精度衛星測位端末用アンテナを開発したことを発表した。

 周波数帯域を拡大したことで主要な衛星測位システムと測位補強サービスに対応。小型化により、ドローンや小型トラクターなどさまざまな移動体に搭載でき、自動運転など高精度測位情報の利用拡大が期待される。

アンテナのサイズ(筐体込み)は、水平面59mm×59mm、高さ33mm。

 水平面に垂直に配置した4つの樹脂成形品の側面と天面に、2つの折り曲げ線状アンテナ素子を樹脂成形品間で対称になるよう配線し、アンテナ素子配線を立体化。この独自のアンテナ小型化技術により、4周波数帯対応の高精度衛星測位端末用アンテナとして世界最小を実現したという。
 小型アンテナはアンテナ占有空間に比例して性能が向上するため、アンテナ素子配線を立体化して限られた占有空間の中でアンテナ形状を最適化することで、L1帯の周波数帯域が同社従来比の約3倍に拡大。GLONASS衛星、INMARSAT衛星にも対応する。

 また、直線状とループ状のアンテナ素子を組み合わせた独自のアンテナ構造により、アンテナ背面方向へのバックローブ放射を低減し、測位精度を劣化させるマルチパス波(地面からの反射波)を抑制した。

 同社は今後、屋外での実証実験による測位精度評価を進め、実用化を検討するとしている。