2020年2月19日、ブルーイノベーションは、環境プラント施設で球体ドローン”ELIOS”による点検作業を実施し、溶融炉、除塵器、燃焼室、ボイラ、減温塔などの各設備で成果を確認したことを発表した。

 同社は、狭小空間での点検作業に最適な球体型ドローン”ELIOS”(スイス Flyability 社製)により、2018年6月から約1年半でプラント、発電所、大型の工事等を中心に約100現場近くの屋内施設で導入を進めてきた。環境プラント施設内の発生ガス管は、狭小空間のため、これまで人が入って状況確認することが出来ず、簡便に観察する方法は長年の課題であった。今回、日鉄環境プラントソリューションズ (日鉄エンジニアリンググループ、以下NSES)と共に、溶融炉、除塵器、減温塔などの各設備内において球体ドローン”ELIOS”および”ELIOS2”による点検作業を行い、これまで人が入れ なかった発生ガス管においてもドローンが進入・点検し耐火材の剥がれやクリンカの付着の状況を確認できた。

点検作業内容と成果

 2019年7月、ブルーイノベーションは、NSES が維持管理を受託し市内のごみや資源物を処理する施設である、さいたま市桜環境センターで、ELIOS を用いた実証実験を行った。 同施設において、”ELIOS”を使って環境プラント内の溶融炉、除塵器、燃焼室、ボイラ、減温塔などの各設備内を飛行させ、耐火材の剥がれやクリンカの付着を確認することができ、今まで足場を建てて確認してきた場所 でも点検員に替わる新たな点検手法として、容易にかつ安全に点検作業が出来ること、またこれまで人が入り込んで点検が出来なかった場所の点検が可能であることを確認した。さらに、千葉県内の施設においても、 同年8月に運用を行い、同様の結果が得られた。また本年1月に運用いたしました岩手県内の施設では、粉 塵過多の環境下でしたが、2019 年 9 月にリリースした”ELIOS2”の粉塵最適化ライト等の新機能により、内部の状態を鮮明に確認した。同社は、今後も暗所、粉塵過多や有害物質が在る場所、耐火材の落下懸念が予想される場所等において、より効率的で 安全なドローンによる点検ソリューションを展開していくとの方針を示した。

ELIOS2により、設備の入り口を撮影した画像
ELIOS2により、発生ガス管内部を撮影