DJI JAPANは、高性能農薬散布用ドローンの新製品「AGRAS T20」(以下、T20)の国内販売を、11月26日(火)より開始する。また、T20の販売開始に伴い、既存製品「AGRAS MG-1シリーズ」の価格改定を実施する。

 DJI JAPANは、2017年3月のAgras MG-1シリーズ販売以来、様々な機能追加や整備工場、教育施設の整備を進めてきた(※1)。日本の農業従事者の減少が見込まれる中、スマート農業に活用できる最新のドローンT20は、パワフルな性能と噴霧能力を兼ね備え、広大な農地や果樹園などの地形上空を自律飛行で作業することができる。また、全方向デジタルレーダーを搭載することで、より安定した飛行と安全な運用を実現する。

全方向レーダーによる障害物回避

 T20は、全方向デジタルレーダーを搭載し、農地の障害物を全水平方向から検知する。また、様々な地形の上空を飛行しながら、自動で障害物回避ができるため、高いレベルでの安全運用を実現する。さらに、リアルタイムFPVカメラと2つのサーチライトを搭載し、夜間でも包括的なライブビューを提供する(※2)。

16Lの薬剤タンクとノズル電子制御

 T20は、日本仕様の16L薬剤タンクと、最大7m散布幅を特徴としている(※3)。噴霧効率は、Agras MG-1P RTKと比較すると約2倍になっている(※4)。T20には精密スプレーモジュールに多くの改善と最適化が施されている。8つのノズルと4つの大容量ポンプを搭載し、最大で毎分6Lの散布が可能である(※5)。また、4チャンネルの電磁式流量計を新たに搭載することで、4本のホースをそれぞれ監視・制御し、各ノズルの効率的な流量率を確保、ムラのない農薬散布を実現している。

機体の耐久性、防塵防水性能(保護等級IP67)

 機体の全体構造も最適化され、強度は30%向上し、メンテナンスや整備の負担も大幅に削減されている。デュアルIMU、デュアル気圧計、GNSS+RTKデュアル冗長システムが標準装備されている。また、すべてのコアモジュールは、保護等級IP67に対応し、機体本体を洗浄する際の水しぶきにも耐えることができるため、水を使った清掃が行える(※6)。

Agrasスマート送信機2.0

 T20には、次世代のスマート送信機が装備されている。5.5インチ高輝度スクリーンは、強い日差しの下でも視認性が高く、外部バッテリーパックに対応することでバッテリー寿命が2倍になった。また、高精度なRTK測位システムとRTKドングルにより、センチメートルレベルの精度を達成することも可能になっている。

粒剤散布システム2.0

 大容量20Lのタンクに最大16kgの粒剤の積載が可能。最大で毎分15kgまで散布ができる。穀物の種子が0.5cm~5cmサイズの直播栽培では、粒剤散布システム 2.0を使用すると、手動での作業に比べ、約70倍の速さで作業をすることが可能。この改良された播種システムは、牧草地の再播種や粒状肥料散布、水田養殖用の魚やエビへの餌やりなど、様々な適用シーンで利用できるように設計されている。粒剤散布装置の取り付けは3分以内で完了するため、いつでもすぐに作業に取り掛かることが可能である。

価格と販売時期

 T20の本体価格は約160万円。全国のDJI農業ドローン代理店で11月26日(火)より予約を開始する。販売価格については、DJI農業ドローン代理店まで問い合わせを。

▼DJI農業ドローン代理店
https://www.dji.com/jp/where-to-buy/agriculture-dealers

▼AGRAS T20についての詳細
https://www.dji.com/jp/t20

既存製品AGRAS MG-1シリーズの価格改定

 AGRAS MG-1シリーズの本体価格を改定する。販売価格については、全国のDJI農業ドローン代理店まで問い合わせを。

・AGRAS MG-1S ADVANCED:約1,000,000円(本体のみ)
・AGRAS MG-1P RTK:約1,300,000円(本体のみ)

※1 整備工場と教育施設は全国で85か所(2019年11月現在)
※2 夜間飛行の際は、法律と規則に必ず従うこと
※3 ノズル仕様によって散布幅は異なる
※4 収集データは、動作環境やパラメーターによって異なる
※5 ノズル仕様によって散布幅は異なる
※6 適用される水圧は0.7Mpaを超えないようにすること
※7 収集データは、動作環境やパラメーターによって異なる