2019年10月3日、パーソルプロセス&テクノロジーは、広島県神石高原町にてドローン関連企業や防災専門機関と合同で、防災・減災を目的としたドローンコンソーシアムを設立することを発表した。
 同コンソーシアムは、ドローン技術を持つ関連企業・団体が集まり、広島県神石高原町が直面している災害対策や物資配送等の課題を、ドローンを活用して解決し「いつまでも安全して暮らせるまちづくり」を地域住民の手で行う事を展望とし、地域に貢献することを目的としている。

背景

 昨今、人手不足による公共、物流サービスの機能低下が問題になっており、人口減少・高齢化が進む地方の生活支援が喫緊の課題となっている。
 加えて、神石高原町では集落が広く点在しており、平成30年7月の豪雨災害では実際に、高齢者等の避難誘導、被害状況の把握、孤立集落との連絡、生活物資の輸送といった災害対応の課題に直面した。

概要

 このような背景から、同コンソーシアムではドローン技術を活用した「いつまでも安心して暮らせるまちづくり」を進めていくとともに、広島県神石高原町をドローン技術の開発や活用拠点としたい企業・団体が参画することで、地域へのノウハウ移転と生業の創出に寄与していく。

<具体的な取り組み>
・土砂崩れを分析することによる、救済活動迅速化・合理化におけるドローン技術の実証実験
・災害時に孤立してしまった集落への物資輸送迅速化・合理化におけるドローン技術の実証実験
・ドローン活用に対する、町関連団体・地場企業へのビジネス創出支援
・参画企業と地場企業とのマッチングによる新たな雇用の創出

 同コンソーシアムが予定する活動内容は、防災科学技術研究所の内山庄一郎氏(神石高原町防災アドバイザー)が提唱する「ドローンによる災害対応の迅速化・合理化」に関する知見を実証する初の試みとなる。

<参画企業>
・油木協働支援センター
・株式会社アイ・ロボティクス
・慶應義塾大学SFC研究所
・国立研究開発法人 防災科学技術研究所
・ドローン・ジャパン株式会社
・パーソルプロセス&テクノロジー株式会社
・楽天株式会社
(個人、団体、それぞれ あいうえお順)

コンソーシアムの展望

 同コンソーシアムは、2019年度の実証実験等の結果を踏まえ、2020年以降も神石高原町でのドローン実用化に向けて活動を行っていくことを予定している。また、実証実験のノウハウを神石高原町と連携して、同様の課題を持つ町内の他地域や他県へ展開を図っていくことで、防災・減災、地方の生活者支援、地方創生といった日本全体の社会課題に取り組んでいく、としている。