2019年8月22日、企業の様々な課題を解決するためのAI(人工知能)ソリューション「AMY(エイミー)」を開発・提供するAutomagiは、カメラで撮影された画像映像データから、サビ(腐食)、ひび割れ(クラック)、塗装の剥がれ、塗膜の浮きなどの劣化現象の検知と劣化度のスコア判定、報告書作成までを一気通貫で行う、社会インフラ向けソリューション「AMY InfraChecker(エイミー インフラチェッカー)」(以下同ソリューション)の提供を開始したことを発表した。

「AMY InfraChecker」開発の背景

 建設から長い期間が経ち、老朽化が進んでいる橋梁・道路・トンネル・建築物などが増えてきているが、少子高齢化の影響でインフラ設備の老朽化の点検や診断を行う熟練労働者の確保が難しくなりつつあることが、社会課題になっている。

 こうした背景から、Automagiは画像映像解析AIを活用し、2018年5月に画像映像データからサビを検知、診断するソリューションの提供を開始した。試験導入含めた採用企業は順調に増えて10社に達し、導入企業からサビ以外の検知への対応ニーズが強かったことから、ひび割れ(クラック)などの点検/診断にも網羅的に対応した同ソリューションの提供を行うことになった。

「AMY InfraChecker」の特長〜あらゆる種類の劣化検出へ

 同ソリューションは、点検/診断業務で大半の工数を占める、非破壊の外観検査及び一次スクリーニングの一連の業務フローを代替・自動化することで、作業の労務コストの削減と診断結果の人によるばらつきをなくし均質化することを可能にする。

 同ソリューションが点検/診断の対象とする劣化の項目は、昨年5月から開始しているサビに加え、ひび割れ(クラック)、部位破損、塗装剥がれ、塗膜浮き、漏油/漏水など、合計7種類。劣化以外では、アナログ計器の異常値を検知する機能もあり、広い範囲の目視点検を対象としている点が特長だ。

<AMY InfraCheckerの検出対象の例>

 劣化現象の位置を検出するだけでなく、劣化度をスコアで判定し、スコアに応じて高・中・低等と段階分けまで自動的に行うことが可能である。更に独自技術により、ドローンで対象の施設を撮影した場合に、背景から対象の構造物のみを切り出し、構造物の2次元の面積に対して劣化の割合や度合いを総合スコアとして算出するロジックを構築した(特許出願済み)。

 この総合スコアを活用することで、どの構造物から二次詳細点検・修繕に着手すべきかの優先度付けを簡単に行うことが可能になる。

 最後に、企業や自治体が既に作成している報告書にあわせた形式でデータを出力する機能も提供することで、業務の大部分を自動化する。

今後の取組みについて

 非破壊での外観検査の対応項目を今後も追加するとともに、赤外線カメラによる施設内部の異常検知や打音検査の異音検知の研究開発も行っている。

 将来的には、蓄積したスコアのデータをもとに、AIによる劣化の経年予測や関連性分析による劣化エリアの推測などの機能も追加する予定である。

<AMY InfraCheckerの今後の拡大方向性>

販売代理店契約について

 Automagiでは、他のドローンサービス企業や建設コンサルタント企業など、ビジネスシナジーのあるパートナーとの提携を今後拡大していく、としている。