2019年8月19日、自律制御システム研究所は、オートモダリティ社(AutoModality Inc.、所在地:米国・ニューヨーク州、CEO Dan Hennege、以下 オートモダリティ社)への出資を決定したことを発表した。

出資の背景

 同社は、インフラ点検、物流・郵便等の分野を中心に、ドローンを活用した業務効率化・無人化・IoTシステムの提供を行っており、特に、非GPS環境下における、画像処理を活用した「Visual SLAM(※1)」を用いた自律飛行技術、それをドローン制御に組み込む統合技術に強みを持っている。

 一方で、オートモダリティ社は「Perceptive Navigation(※2)」という、同社とは異なるアプローチによる自律飛行技術のソフトウェアを開発しており、これまで国際的なドローンのソフトウェア開発コンテストで優勝するなどの実績を有している。

 オートモダリティ社が有する「Perceptive Navigation」を、同社の制御技術に補完的に取り入れることで、より高度・複雑な非GPS環境下での自律飛行を実現することが見込まれ、より自律飛行の難易度が高いとされる案件の獲得を目指すことができる。

 また、両社が互いに得意とする日米におけるマーケティングにおいても相互連携を強めていく予定である。

※1 Visual SLAM:
同社が有する画像処理を活用した、飛行環境全体における相対座標系の自己位置推定技術。ドローンは飛行中に、カメラを通じて得た空間の情報を処理し、ドローンを取り囲む障害物等の場所を示す地図を作成し、自分の位置情報を推定している。ドローンに搭載されたコンピューターによって行うことでドローンはGPSや通信を頼ることなく、自らの位置を理解しながら自律的に飛行することが可能である。

※2 Perceptive Navigation:
オートモダリティ社の定義する当該技術は、レーザー光を用いたリモートセンシング技術(Lidar)を活用した、対象物の認識を中心とした自己位置推定技術を組み合わせた非GPS環境下に有効な技術。
橋梁点検などの開けた空間において動作可能であること、対象物の絶対位置を認識することでドローンの自己位置推定の精度が高くなること等の強みがある。

出資の概要

 出資金額: 2,800千米ドル
 出資実行の予定日: 2019年8月20日

オートモダリティ社の概要

・名称 AutoModality Inc.
・所在地 米国
 本社:235 Harrison St, md 8 Syracuse, NY 13202
 開発拠点:208 Devon Drive San Rafael, CA 94903
・代表者 CEO:Dan Hennege
・事業内容
 UAV(Unmanned Aerial Vehicle)の飛行ソフトウェア、関する研究開発、販売
・設立年月日 2015年6月