2019年7月23日、テラドローンブラジルは、ドローンを活⽤し、ブラジルの⼤⼿⽯油会社 Petrobras の所有するFPSO(浮体式⽣産貯蔵積出設備)の⽬視点検を完了させたことを発表した。この FPSO は、ブラジルの南東部沖合に位置する⼤規模な油⽥「プレソルト」の開発を進めているものである。今回のドローンによるオフショアでの設備点検の成功は、ブラジル国内で初めてのこととなる。

 今回、同社は、2⼈の作業員により、FPSO 内の2つのタンクの点検をおよそ1時間で完了。ドローンにより撮影された⾼精度な画像・動画データを元に、40もの点検箇所の詳細なレポートを作成した。これにより、タンク内の腐⾷、⻲裂、破損が特定され、安全性の向上、メンテナンスの効率化が実証された。

 従来の⽅法では、およそ4⼈の作業員が、ロープもしくは⾜場を使⽤してタンクの⽬視点検を⾏なっていた。作業員がこのような⽅法で点検を⾏う場合、およそ半⽇から丸1⽇の点検時間を要しており、⻑時間にわたる⾼所での点検作業には、危険が伴っていた。しかし、タンクの点検にドローンを活⽤することで、作業員がタンク内で点検をする必要がなくなる。さらに、ドローンを活⽤することで、およそ半⽇から丸1⽇かかっていた点検時間を、およそ1時間に短縮することに成功した。

 同社の共同経営者であるマルセロ・ベレティ⽒は、「ドローンによる点検に切り替えることは、作業員の安全を確保するだけではない。⾜場の設置などにかかる⾦銭的、及び時間的コストを削減できる上、詳細な点検レポートの作成もできる。⾮常に効率的で画期的な⽅法だ。」と述べた。

 同社は、ドローンによる船舶や FPSO などのオフショア設備点検のサービスプロバイダーとして、アメリカ船級協会、ロイド船級協会、第三者認証機関であるDNV GL の3機関からの認証を取得している。

 テラドローングループは、今後もドローンを活⽤することで、オイルガス分野をはじめとする点検業務の効率化、安全性の向上に貢献していく、としている。

タンク点検の準備をするマルセロ・ベレティ⽒
(編集部 注:FPSOのイメージ)