左から、永井 悠平氏(東欧・中央アジア統括)、ディミトリー・イヴァノフ氏(カザフスタン事業開発責任者)、ガークシン・ユージェニー氏(KazUAV CEO)、ラスラン・ヴィトヴィスキ氏(KazUAV COO)、アレクサンダー・ボロヴコフ氏(KazUAV CTO)

 2019年7月18日、テラドローンは、カザフスタンで主にドローンによる GIS サービスを提供する KazUAV への出資を完了し、同社はテラドローングループの⼀員となったことを発表した。KazUAV は GIS 分野にとどまらず、オンショア・オフショアでの石油・ガス設備点検、鉱山の測量・点検、送電線点検や植生管理をはじめ、建築、農業など幅広い分野におけるサービスを提供していく。さらに、森林火災や洪水などの災害からの復興支援にも貢献していく、としている。

 今回テラドローンが出資した KazUAV は、2016 年の設立以来、政府や国営・民間企業に対し、警備ソリューションのほか、主に道路や送電線の測位を目的とした GIS サービスを提供してきた。2018年には ICAO(国際民間航空機関)の依頼で、6つの空港と空港から半径45キロ内のエリアである、およそ400万ヘクタール(東京都約20個分)のマッピングプロジェクトを実施した実績もある。

 カザフスタンにまたがるカスピ海、アラル海周辺では大量の石油が生産されている。この周辺地域には多くの石油・ガス設備があり、低コストで効率的なメンテナンスが必要とされています。さらにカザフスタンは世界第9位の国土面積を誇ることから、広大な国土の把握にもドローンの活用がさらに見込まれる。

各者コメント

 KazUAV のCEOであるガークシン・ユージェニー氏は「テラドローングループの一員になれたことを嬉しく思う。テラドローンには、25カ国以上の国々からの最先端技術や知見が集約されいる。これを生かしたサービスをカザフスタンで提供し、世界でもトップのUAVサービス大国となっていきたい。」とコメントした。

 テラドローンの CEO である徳重徹氏は「より幅広い分野でドローンソリューションを世界展開していきたいというビジョンにおいて、お互い強く共感することができた。KazUAV はすでにカザフスタン国内におけるリーディングカンパニーだが、これまで以上に同国内のドローン市場を引っ張っていってほしい。」と述べた。

今後の展望

 今回の出資により、KazUAV が長期にわたり築いてきた現地でのサービスネットワーク、そしてテラドローンが所有する UTM システム、AI 技術、UT 検査技術、SLAM 技術など幅広い最先端技術を組み合わせることで、より付加価値の高いサービスの提供につなげていく、としている。

マッピングプロジェクトから得られた成果物(左から DSM、オルソ画像、地形図)
カザフスタンの⾸都ヌルスルタンの 3D マップ
KazUAV オフィスの 3D モデル