2019年6月11日、Airobotics K.K.(以下エアロボティクス)は、東京海上日動と連携し、ドローンで撮影した複数の画像を人工知能(AI)で解析することで、迅速に損害調査から修理費の算出までを行う取り組みを2019年6月より開始する。対象は、主に企業が所有・管理する工場や倉庫等である。

取り組み概要

 まず、ドローンで撮影した工場や倉庫等の空撮画像を繋ぎ合わせて、正確に損害箇所や損害状況が把握できる画像データおよび3Dモデルを作成する。作成したデータを解析し、具体的な損傷状況や損害額を迅速に算出する。同社のデータ解析プラットフォームを用いることで、これまで工数がかかっていた、調査から修理費の算出までを、正確かつ迅速に行うことが出来るようになる。加えて、ユーザーからの同意の基に撮影した大量の画像データ、及び、損害鑑定人等による画像診断結果をAIに学習させることで、精度の向上を実現する。

 これまでは、東京海上日動の損害鑑定人による調査で、通常1ヶ月程度かかっていた保険金の支払い期間を大幅に短縮出来る。また、多くの箇所で同タイミングに調査が必要となる広域災害発生時においても、同取り組みにより、迅速かつ多くのユーザーの物件に損害調査を実施出来るようになる。

エアロボティクス コメント

CEO 兼共同創設者 ラン・クラウス氏

 「当社のデータ解析プラットフォームを通して、工場や倉庫の損害状況をデジタル化し、AIが解析することにより、効率化に寄与できる事を光栄に存じます。今まで人力で行われていた多くの業務を自動化してシームレスに提供し、損害状況の把握や修理費の算出を行います。業務フローに直接組み込むことで、ドローンの空撮データの使用を一般化し、日々の点検や災害時の復旧活動に不可欠な要素となる事を目指します。」

Chief Revenue Officer(最高売上責任者)リック・ベーカー氏

 「当社は、ドローンはデータ取得の⼿段に過ぎず、大量のデータこそが成長ドライバーであるという強いビジョンを持っています。当社のAI搭載データプラットフォームにより、従来の点検・防災管理の手法から、リアルタイムに近い正確なデータを使用することで、より積極的で計画的な運用が可能になることを期待しています。」

 同社は、今後は個人の住宅・家屋等の被害に対しても、同取り組みを応用できるか検討していく、としている。

建物点検のイメージ。可視カメラ、赤外線カメラで取得したデータを統合し、AIを活用することで、効率的に損害状況を把握する。