2019年6月5日、オリックス・リビングは、Aeolus Robotics Corporation(以下 Aeolus)と、AI(人工知能)搭載型サービスロボット「アイオロス・ロボット」の導入に向けた実証試験などを行うコンサルティング契約を締結したことを発表した。

 「アイオロス・ロボット」は、高度なAIセンサーを搭載し、さまざまな機能を備えた自律型ヒューマン支援ロボットである。Aeolusは、昨年11月よりオリックス・リビングが運営する施設で、物体の検知や移動、物品の運搬などの基本的な動作確認を重ねてきた。今後、見守り、運搬、緊急対応などで省人化・省力化に貢献するロボットの実用化を目指す、としている。

 今回の提携により、オリックス・リビングが介護施設運営で蓄積した知見や課題解決のノウハウをAeolusに提供し、実際の活用シーンに即したユーザビリティの向上を共同で行う。具体的には、介護施設の構造や設備を踏まえたロボットの性能評価と機能の向上、介護スタッフによるスマートフォンやタブレット端末を用いた操作性の確認、そして、ロボットに代替可能な業務の洗い出しと実行に向けた検証などを行う。介護従事者の日常的な業務の一部をロボットが担うことにより、「人の手による介助」の時間を増やし、入居者への介護サービス向上へつなげるねらいである。

 オリックス・リビングとAeolusは、介護ロボットの開発・技術支援を通じて、介護現場への普及を推進し、高齢者の暮らしの質の向上に努めていく、と今後の展望を示した。

転倒した入居者の検知

想定機能(例)

  役割1.見守り
 ・顔や体格から人物を検知し特定する
 ・音声や動作でのあいさつ
 ・周囲の環境情報の学習
 ・障害物を回避しながらの目的地への移動

  役割2.緊急対応
 ・転倒など緊急事態を検知しスタッフへ発信する

  役割3.運搬
 ・目的物を検知し取りに行く2本のアームで物品を持ち上げる
 ・物品を持った状態での保持・走行
 ・エレベーターを使用した上下階への移動(操作・単独乗降)