2019年11月21日、スカイマティクスとオリエンタルコンサルタンツは、砂防事業における石礫調査の課題を改善する手法として、「AI技術を用いた石礫の自動判別クラウドシステム」を開発したことを発表した。
砂防事業における石礫調査は、人力による調査が主体であるため、危険箇所での二次災害の恐れ、調査精度のバラツキ、作業の長期化の問題が生じる。これらの問題を解決するために、AI技術を用いた石礫および礫径の自動判別システムの開発を行った。
同システムでは、ドローン等により空撮した広範囲な渓流の高解像度の連続写真を、クラウド上にアップロードするだけで、自動的にオルソ画像・DSM(高低差)画像・三次元点群データ等の地形データを生成、独自開発のアルゴリズムを用いて自動で石礫を抽出、礫径を判定し、レポートを出力する。砂防施設計画設計、災害時の渓流の変化状況、及び渓流の経年変化の把握等に活用することが可能である。
今後、共同で事業化し、砂防・防災事業に携わる自治体・民間企業が広く利用できるようクラウドサービスとして本年度内を目途に販売開始に向けて取り組み、業界の業務効率化、安全性の向上、データの蓄積に貢献することを目指すとしている。
開発システム概要
AIによる石礫の自動判別機能
AIが自動で石礫を判別し、石の大きさ・数・位置を自動計測する。
グラフ・レポートの自動生成機能
礫径分布グラフ・粒径分布グラフ・石礫抽出結果レポートなどを自動生成する。印刷、CSVデータでのダウンロードも可能。
様々な地形データの自動生成機能
オルソ画像・DSM画像・CS立体図・三次元点群データを自動生成、Tiff・LASデータ形式のダウンロードができる。また、計測ツールを使い、断面図・面積・距離などの計測が可能である。
オブジェクト記録機能
抽出漏れが生じた場合の石礫の追加記録に加え、流木・倒木・構造物などの渓流調査に役立つオブジェクトの記録が可能。