2019年3月29日、DJIは、ドローン空撮データをデジタル3Dモデルや地図に変換し、分析と意思決定を容易に実現する新しいソフトウェアツールDJI Terraを発表した。DJIのドローン技術を活用する企業や組織は、公共の安全、建設、インフラ、農業や映画産業といった各業界で、DJI Terraを活用し、空撮写真の収集、可視化、分析をすることができる。

 DJIエンタープライズ部門ディレクターSunny Liaoは、「DJIは産業用ドローンのリーダーとして、企業がドローン技術で業務を変革し、競争優位性を獲得できるよう、導入しやすく使いやすいハードウェアとソフトウェアソリューションの開発を続けている。DJI Terraは、マッピングおよびモデリングのオールインワンソリューションとして、ドローンデータの価値をシンプルかつ効率的に抽出する。事故現場の再現から重要インフラの点検、農業分野でのマッピングや建設現場でのモデリングなど、幅広い分野で意思決定や提案を行うことができる」と述べている。

 自動飛行計画とデータ収集DJI Terraは、産業用ドローンパイロットが撮影したいエリアや対象物、作成したい地図や3Dモデルの種類に基づき、使いやすい複数のオプションを使用して、自動飛行を迅速に計画するのに役立つ。飛行計画には、以下3種のミッション計画が用意されている。

・エリア
 多角形の飛行エリアを地図上に描くことにより、特定のエリアを素早く簡単に撮影する。DJI Terraは、選択されたエリアを基に効率的な飛行経路オプションを自動的に作成する。

・ウェイポイント
 ウェイポイント、機体の高度/速度/向き/ジンバルピッチ/角度などの調整可能なパラメーターを使用し、エリア内または対象物周辺の動的なカスタム飛行経路を作成する。細心の注意が必要な複雑なミッションでは、3D飛行可視化機能を使用して、既存の3Dモデル上にミッションを設計し、シミュレーションすることが可能である。

・オブリーク(斜め撮影)
 同じルートを複数回自動で飛行することにより、豊富なデータセットを収集する。各飛行でカメラの角度を自動調整し、さらに新しい詳細情報を撮影することで、様々な角度からの対象物やアセットの鮮明な3Dモデルが得られる。リアルタイムマッピングと緻密な3Dモデルが得られる。

リアルタイムマッピングと緻密な3Dモデル

 リアルタイムマッピング機能により、ドローンパイロットはDJI Terraで素早く2Dオルソモザイクマップをドローンファイルとして生成することができる。状況認識が重要であり、一刻を争うミッションや、数分で意思決定が必要とされる現場に最適である。DJI Terraの高速処理機能は、車両事故の再現や建築プロジェクトの進捗状況追跡、橋梁や道路などの大規模な重要インフラの点検調査の実施など、産業用途に用いられる詳細な2Dオルソモザイクと3Dモデル再構築で、鮮明でリアルな描写をあらゆる環境下で実現する。

使いやすいデータ分析

 地図やモデルの作成に加え、DJI Terraは、直線距離や表面積、体積推定など様々な測定値を提供する使いやすい分析ツールを用意し、ユーザーがデータを分析し、すぐに洞察を生み出すことができるようサポートしている。進行中のプロジェクト全体で、チームのコミュニケーションと報告業務を改善するために、注記ラベルを編集して共有することもできる。現場での詳細な点検調査や事故の再現業務に、DJI Terraの写真検査ツールを使用すると、モデル作成に使用したすべての写真を詳細に検査できるため、重要な要素を特定し、強調表示することができる。

販売時期

 DJI Terraは、全国のDJI Enterprise正規代理店を通じて本日より購入できる。また、DJI Terraは、Windowsパソコンと現行のDJI Phantom 4シリーズのドローン全てと互換性がある。