2019年3月7日、シナジーテックは、ドローンに搭載可能な超軽量、全光束25,000ルーメンのLED照明ユニット「DL250」を開発し、販売開始したことを発表した。幕張メッセで開催される「ジャパン ドローン 2019」会場にて、3月14日13時15分から13時45分まで実演デモを行う。

生存率の壁を突破!

 災害時の人命救助活動において、48時間を境に生存率が激減する。一方、一刻を争うような捜索活動も安全性や二次災害への懸念から出動できない状況も少なくない。こういった状況で、無人飛行によるドローン捜索に期待が寄せられてるが、DL250は夜間の山間部や被災地などを安全かつ、広範囲に捜索できる画期的な照明ユニットとして、人命救助の分野に革命を起こす商品となっている。

早期発見が明暗を分ける
災害時は昼夜兼行

 上記の図は、発災と昼夜の関係を24時間で示したものである。案外見落としがちなのが、季節を問わず1日の約半分は夜間だということ。発災から数時間で日没に達するようなケースや、そもそも夜間に発災することもあり、安全面から明朝まで捜索を待つこともある。夜間の捜索活動が可能になれば、それだけ救える人命が増えると同社は考えた。

新発売のDL250装着時
DL250ユニット

DL250の特徴

・超軽量化によって、飛行時間約25分を実現。
・他に類をみない全光束2万5千ルーメン。
・市販のDJI-MATRICE600に完全対応、装着時間わずか5分。
・手元のリモコンで、照明の方向をコントロール。
・夜間でも安全な離着陸、目視飛行が可能。
・LEDは日亜製、より自然な色合いで撮影可能。
・マクセル製インテリジェントバッテリーを採用、連続点灯30分。
・無線周波帯は920MHz帯を採用、技適マーク取得。
・昇圧定電流回路で安定した照度を実現。

災害救助法適用市町村と地震大国日本

 災害救助法とは、災害直後の応急的な生活救済などを目的とし、昭和22年に定められた法律。これは、これまでに適用された災害と市町村数を視覚化した図である。1位が地震で423市町村、2位が台風で231市町村、3位が豪雨で179市町村、4位が豪雪災害での適用123市町村である。

 2003年から2013年の10年間で、マグニチュード6.0以上の地震は日本で326回。世界の約2割の地震が日本で発生している。人体に感じる有感地震の回数は年に1,100回以上で、これは1日あたり3~4回の割合で地震が起こっていることを示す。

【九州ブロック合同 緊急消防援助隊 夜間訓練】
2018年に鹿児島県鹿屋市にて実施された緊急消防援助隊 九州ブロック 合同夜間訓練

 この夜間訓練は、津波被害を想定した中において、夜間における捜索・救助を目的とした訓練で、DJI社 Matrice 600 Pro・ Matrice 210・Inspire2を運用し徳島第一支部シナジーテックによる照明用サーチライトを搭載。また、光学30倍ズームが可能なZ30、スピーカーなどを搭載し、それぞれのシーンで災害時においてドローンが有効な情報収集ツールであることを証明した。特にMatrice 600 Pro・ Matrice 210・Inspire2 それぞれの機体に搭載したサーチライトの威力を消防隊員に知ってもらうことができた。

国土と活火山数、日本の災害リスク

 世界には約1,500の活火山があるとされており、そのほとんどが環太平洋地帯に分布しているが、日本には世界の活火山の約1割があり、世界有数の火山国といえる。保有数でみると米国が174個で世界1位、日本は111個で4位だが、面積の比率は1:26で日本における活火山密度を米国に当てはめると、2,886個にもなる。

 日本は、年間平均降水量が世界の約2倍で、梅雨や台風の時期に降雨が集中。河川は急峻で短距離のため、洪水や土砂災害が起こりやすい。また、地球のプレートが4つも重なり合う境界に位置しており、四方を海に囲まれ海岸線は長く複雑であるため、津波による大きな被害も発生しやすい。そして、面積の51%が豪雪地帯である。

DL100
DL50

主な出典元:内閣府・国土交通省・文部科学省・環境省・総務省・気象庁・消防庁・警察庁など