2019年1月31日、水中ドローン専業メーカー、FullDepthは、自社開発の水中ドローン(ROV)を用いて、2018年12月10日(月)、鹿児島湾(錦江湾)の海底に生息する希少生物「サツマハオリムシ」の群生地の撮影に成功した。同調査は、鹿児島大学水産学部の練習船「南星丸」による実習の一環として実施され、撮影された映像等は、いおワールドかごしま水族館ならびに新江ノ島水族館にて展示も検討されている。
〈調査目的と結果〉
鹿児島大学水産学部が練習船「南星丸」にて定期的に行っている錦江湾海底の調査に同行し、錦江湾海底に生息する希少な「サツマハオリムシ」生息状況の観察を行った。サツマハオリムシは環形動物門に属する固着性の多毛類で、普段は自らがつくる棲管の中から赤いエラだけを出している。口や消化管がなく、火山活動などで生じた硫化水素を使って栄養を作るバクテリアを体の中に共生させる、という非常に変わった生態を有す。細胞内共生のメカニズムや極限環境への適応など、生物学的に重要なテーマの研究対象として注目されている。サツマハオリムシの生息域と想定される調査海域に到着後、水深約160mまでドローンで潜航し、付近の調査を行った。程なく、サツマハオリムシと思われる生物の群生地を発見することに成功し、貴重な映像資料の撮影に成功した。映像では、水中ドローンの接近に反応してエラを棲管の中にしまう様子や、アマクサクラゲのポリプが付着する様子などが確認できる。調査の記録映像は以下である。