水中ドローン専業メーカーFullDepthは、自社開発の遠隔無人探査機(Remotely Operated Vehicle, ROV)「TripodFinder」を用いて、神奈川県・相模湾沖、 深海1,000m付近に到達、 深海生物の調査を行った。

調査の実施目的

 小型ROVとしては類いまれなる試みとなる深海1,000m域への到達と周辺の生物調査を行うため、2018年6月4日(月)、神奈川県・相模湾沖において、自社開発の水中ドローン「TripodFinder」を用いた深海探査を実施した。TripodFinderはサイズ・重量ともにコンパクトに設計された可搬型のバッテリー駆動ROV。運用に必要なものはROV本体とPC、そしてその二つをつなぐ通信用のテザーケーブルのみとなっており、手軽に水中調査を行うことができる実証実験機である。

TripodFinder(先端に取り付けてあるのはエサとなるサバ)
船上からの運用風景
PCを使用したROV操作風景

調査結果

 船上の深度計測器において1,000mを指し示す海域にて水中ドローンを投下、約30分かけて深海981mに着底。バッテリー駆動ながら1時間以上に渡り付近の生物調査を行い、タカアシガニやエゾイバラガニ、ウナギやクラゲの仲間とみられる生物など、15種類以上の深海生物を確認することができた。本調査の模様をまとめた記録動画がアップロード済みである。また、生物の詳しい情報などを交えた動画も、FullDepthウェブサイト上にて順次公開する予定だ。

船上の深度計測器による深度表示
観察された動物たち
観察された動物たち
相模湾深海1,000m 付近での調査をまとめた動画