学生と社会人で混成するプロジェクトチーム「teTra」はボーイングとHeroXが主催する有人エア・モビリティの「GoFly」コンテスト第1期にて世界のトップ10に選出された。

 「teTra」はボーイングがスポンサーするGoFlyコンテストに参加するために東京大学博士課程に在籍する中井佑をリーダーとして、学生・社会人のプロフェッショナルを集めて結成された日本発のプロジェクトチームである。チームは様々なエリアのプロフェッショナルから構成されており、昨年末から半年以上かけて個人用飛行装置(エア・モビリティ)の設計を行ってきた。全3フェーズで争われる、賞金総額2百万ドル(約2億円)のGoFlyコンテストのうち、この度teTraは第1期(Phase 1)にて世界のトップ10に選ばれた。

チームメンバー(左から:水谷,中井,桑村,岡田)

 GoFlyコンテストの目標は2019年末にアメリカで実際に人を乗せて飛ぶことだ。teTraプロジェクトチームはその達成に向けてさらに実証実験などを推し進めていく、と展望を述べた。

GoFly公表からの仮訳抜粋(※一部修正)

GoFlyが個人用飛行装置の開発のトップデザインを表彰
ボーイングがスポンサーし、 2年間で総額2百万ドル(約2億円)の国際的賞金レースの第1期として10チームが表彰された。

ニューヨークー現地時間6月14日―
GoFly Prizeが主催し、 ボーイングがグランドスポンサーを務める個人用飛行装置の国際コンテスト「GoFly」は今回、 第1期の受賞10チームを発表した。同コンテストは誰もがどこででも安全に利用できる個人用飛行装置の開発を競い、2年間にわたって開催されるもので、賞金総額は200万ドルである。応募された数百の作品を業界の専門家からなる審査委員会が厳正に審査した結果、非常に高い評価を獲得した10チームが選出された。
 第1期の受賞者は以下の10チームである。(飛行装置名のアルファベット順)。
「Blue Sparrow」Blue Sparrow(米国)
「ERA Aviabike」Aeroxo AC(ラトビア)
「Flykart 2」Trek Aerospace(米国)
「Harmony」Texas A&M University(米国)
「HummingBuzz」Georgia Tech(米国)
「Mamba」Mamba(米国)
「Pegasus I」Scoop(米国)
「S1」Silverwing(オランダ)
「teTra 3」teTra(日本)
「Vantage」Leap(英国)

今回受賞したteTraのteTra 3

 GoFlyは、人間の移動手段をテーマとするコンテストとしてはかなり大きい規模を誇り、参加者は95カ国、約3,000名に上っている。第1期の受賞者として英国、オランダ、米国、日本、ラトビアからの10チームが選出されたことは、同コンテストが国際色豊かなものであることを物語っている。受賞作品はすべて垂直もしくは垂直に近い離着陸機能を備え、燃料補給や再充電の必要なく20マイル(約32キロ)の有人飛行ができる安全な個人用飛行装置の設計で、試作機製作の基礎となるものだ。

 第1期の応募は2018年4月18日に締め切られ、参加者は現在、各設計を基にして実際に機能する飛行装置の製作に入っている。第2期への応募は第1期に設計を提出していることは必須ではなく、世界中のエンジニア、デザイナー、起業家には改めて賞に参加し、アイデアを実現することが奨励されている。受賞チームと各作品の詳細は GoFlyPrize.com(英語)で見ることができる。

 GoFlyは2019年秋まで続き、2019年3月に受賞者が発表される第2期では、最も優れた試作機を製作した4チームにそれぞれ5万ドルが贈られる。第3期の最終審査は、2019年秋に開催されるFinal Fly-Off会場にて、ボーイングと業界有数の組織で構成された専門チームによって行われ、グランプリ受賞者が発表される。

 GoFly Prizeに関する詳細およびコンテスト応募については、 下記ウェブサイト(英語)から。
URL: http://www.goflyprize.com