ドローンを活用した災害時等業務協力協定締結式の様子

 2018年5月23日、岩手県ドローン協会は岩手県雫石町とドローンを活用した災害時等業務協力協定を締結した。同協会が県内の市町村と災害協定を結ぶのは今回が初であり、今後は町が協会に年間委託料を支払い、大雨災害などの大規模災害や山岳遭難事故発生時に出動を要請する。

 岩手県雫石町では2013年8月の県央部豪雨で道路が寸断され、孤立地域が発生した。 さらに近隣地域には、岩手山と秋田駒ケ岳という活火山も抱えており、 災害がいつ起こってもおかしくはない状況に機敏に対応する必要があった。 そこで災害時にドローンを活用しようと岩手県ドローン協会に協力を働きかけた。

岩手県ドローン協会とは

 平成28年4月にドローンの普及及び有効活用、関連産業の振興について関係機関、団体、企業様と取り組みを図ることを目的に設立した一般社団法人である。現在、県内外の企業13社が会員で、協会全体で大小15基のドローンを所持しており県内で唯一の大型産業用ドローンを所有する団体でもある。

DJI社製「QS8」とは

 QS8は実際の災害現場における緊急物資の搬送や被害状況確認を目的として、DJI JAPANに対し、あきる野市、スカイシーカーの要望により3者で共同開発された新型の大型産業用ドローンである。

QS8の特徴

 積載BOXには最大6kg(推奨)の物資が積載可能

 高い防塵・防滴性能により天候時の飛行が可能

カメラマウントには様々な高性能カメラが搭載可能

電波が遮断されても目的地に自動着陸が可能

 従来のドローンでは、災害現場や山間部での飛行は電波通信が遮断されるという問題から非常に困難だったが、今回採用されたDJI社製「QS8」では新型の制御基板により、何らかの原因で電波が遮断されても目的地へ自動で着陸し、安全に物資を搬送することが可能である。
 県ドローン協会では会員企業でQS8を2機所有しており、高度な操縦技術を持った経験豊富なドローンオペレータを複数名抱えていることから、今回の災害防災協定に繋がった。