2018年5月8日、DJIは、米Microsoft社とAIおよびマシンラーニングにおける先進的な技術をDJIのドローンに活用する戦略的パートナーシップを締結したと発表した。本パートナーシップは産業用ドローンとエッジクラウドコンピューティングのテクノロジーをビジネスに活用することを目的としている。DJIの Windows向けSDKのベータプレビューは、Microsoft Buildカンファレンスに参加中の開発者を対象に、2018年5月8日より提供開始。それ以外の開発者へは、2018年の秋頃の提供予定だ。

 本パートナーシップを受け、DJIはソフトウェア開発キット(SDK)を世界最大の企業向け開発者コミュニティーを有するWindows向けにリリースするとしている。Windows 10 PC向けのアプリを使用することで、DJIのドローンは、さまざまな産業向けに、飛行管理やリアルタイムデータ伝送機能の搭載などのカスタマイズや制御が可能となる。これにより、世界中のおよそ7億人のWindows 10ユーザーがドローンのテクノロジーを活用できる見通しだ。

 また、DJIは、MicrosoftのクラウドサービスであるMicrosoft Azureを導入予定。業界最高水準を誇るAzureのAI技術とマシンラーニング性能を活用することで、膨大な数の空撮写真や動画データを実用的なインサイトへと変換し、世界中のさまざまなビジネスに提供することができる。

 DJIの新しいWindows向けSDKで、開発者は、Windowsのネイティブアプリを構築することが可能になり、自律飛行やリアルタイムのデータ配信を含めたDJIドローンの遠隔操作が実現できる。Windowsの開発者コミュニティーは、SDKを使い、マルチスペクトルセンサーやカスタムアクチュエーターのようなロボット構成部品などのサードパーティ製のペイロードの統合と管理を行えるようになるため、企業によるドローン活用方法も飛躍的に増大する。

 Windows向けSDKに加えて、MicrosoftとDJIは、農業、建設、公共安全といった主要分野でAzure IoT EdgeとAIを活用したドローンソリューションの開発においても連携している。Windowsの開発者は、Azureの大規模なクラウドとDJIのドローン、そして、クラウドに長けたAIソリューションを構築するためのIoTツールセットを使用し、現場でリアルタイムにドローンに展開することができる。その結果、一ヵ所の現場から入手した調査結果やデータを素早く活用し、組織全体に迅速に適用が可能となる。