株式会社DRONE IP LABは、千葉道場ドローンファンド(GP : 千葉功太郎)の出資先各社を中心とした「第1期共同出願キャンペーン・パートナー」との共同出願を完了したと発表した。

今回の共同出願キャンペーンにおける出願分野ターゲットは、ドローンをはじめとする無人飛行体(UAV)の機体構造、自律制御/群制御、インフラの管理制御、ソフトウェア、無人移動体利用したビジネスモデルなど、ドローンにまつわる基盤技術から応用技術まで幅広く設定している。

第1期共同出願キャンペーンでは、2017年8〜10月の期間中に千葉道場ドローンファンドの出資先各社を中心にキャンペーン・パートナーを募集。その結果、国産ドローン産業全体の競争優位性を獲得し得る技術やビジネスモデルが多数出願候補になったという。候補となった技術やビジネスモデルの中から、DIPLにて発明の精査および、先行技術の調査を行い、100件に絞り込みを行った上で共同出願を行った。

DIPLは、「今後も千葉道場ドローンファンド出資先各社の事業基盤の安定化と利益の最大化をサポートするとともに、国産ドローン産業の発展に資する技術やビジネスモデルに対しては、第2期共同出願キャンペーンの実施も含め、積極的に特許共同出願の提案活動を続けていく」としている。

DIPLの中畑稔代表取締役の談話全文は以下の通り。

今年の5月に、日本で初めてのドローン・スタートアップに特化したVC「ドローンファンド(GP:千葉功太郎、他)」が設立されました。
http://dronefund.vc/index.html
GPの千葉さんとは今年2月、たまたま福岡で朝食をご一緒させてもらったときに、二人でDRONE IP LABの基本的な構想を考えたのです。

そもそもスタートアップは、プロダクト・サービス開発、資金調達、採用等々、ヒト・モノ・カネが極限までない中で、産業のエッジを進んでいかなければなりません。経営者の方も「知財は大事だ」と頭ではわかっていても、「手当しなくても即座にその損失が体感として得られない分野」だけに、どうしても知財が後手に回ってしまいがちです。
そこで、ドローンファンドからDIPLに「出資」という形で「知財予算」を投入すれば、それを原資に他の出資先スタートアップの知財をサポートできるよね、という千葉さんの強い思いによってDIPLは生まれました。ドローンファンドのみんなが使える「シェアリング知財部」を作ったというイメージです。
この際、弁理士法や、信託業法等の法律に抵触しないように「共同出願」というテクニックを利用しています。

これによって、出資先のみなさんはDIPLのサポートを受けながら、発明の発掘、出願発明の精査、先行技術調査、特許出願、権利化、ライセンス対応まで「出し放題」の状態を作ることができ、少なくとも、社内に「知財部」ができるようになるまでは、知財業務を完全アウトソーシングすることができます。しかも、これらにかかる費用は、DIPLに出資された費用で賄うのです。

そして、これもニーズがあったのですが、必要があれば、共同出願から単独出願に戻すオプションも用意しております。これは、エグジットや、事業ピボットした場合を想定はしています。このようなときには、エグジット・バリュエーションや、新規事業の事業計画(マーケットサイズや売上目標等)から特許の適切な価格を算定できます。そして、このオプションを行使して収益が出た場合には、あたかも「リレー」のように、その一部を他の出資先のサポートに利用することができます。
このようなサイクルを繰り返すことによって、国産ドローン産業の発展・育成を知財の面からサポートしようというのがDIPLの理念です。

更に、今回のリリースにあるように、共同出願をしていただいた会社をDIPLでは「パートナー」と呼びます。DIPLとパートナーとでつくる特許の集積(「パテントアンブレラ」と呼んでいます)を構築し、強い特許ポートフォリオを持つ大企業や他国企業とクロスライセンスを行うことによって、その企業とパートナーとの間では不要な特許紛争を起こすことなく、協業や提携を行うことができるようになります。

ドローン分野に限らず、すべてのテクノロジーの分野には、ハード、ソフト、サービス、そして更にその中に細分化されたバーティカルな軸が通っています。
千葉さんは、ここに「資金」という横軸を通すためにドローンファンドを設立されました。僕の会社はそこへ「IP」という横軸をもう一本通すことによって、産業発展の加速化、マーケットサイズの拡大を狙っていきます。