NTTドコモは、「ドコモ・ドローンプロジェクト」の一環として、自動飛行ドローンを活用したインフラ点検に取り組む。点検品質の均一化、点検作業の効率化および人身事故防止などの社会的課題解決をめざし、まずは、NTTドコモの無線基地局において手動操縦ドローンを用いた点検を2017年10月より導入したと発表した。鉄塔上での高所作業における落下事故へのリスク回避および死角となる場所の点検品質向上が狙いだ。

 将来的には、さらなる点検品質の均一化および点検作業の効率化のため、ドローン飛行および画像解析の自動化をめざす。そのため、NTTドコモの100%子会社である株式会社NTTドコモ・ベンチャーズを通じて、米シリコンバレーにあるインフラ点検用ドローンの開発企業であるPRENAV, INC.(プレナブ社)に2017年11月9日に出資したという。

 プレナブ社は、高精度位置制御が可能なドローンソリューションを開発する企業。プレナブ社が提供しているドローンソリューションは、専用レーザー装置によるインフラ設備などの建造物の3Dモデル生成、建造物を撮影するための飛行計画作成、自動飛行ドローンによる建造物の撮影、そして撮影画像に基づくレポート作成という一連の点検作業を自動化する。プレナブ社はアメリカの鉄塔保有事業者向けに、基地局や鉄塔などの監視・点検について実証実験を行っている実績がある。

 今後、NTTドコモは、プレナブ社のドローンソリューションを活用し、自社設備の点検などにとどまらず、橋脚や発電所、石油採掘装置などの分野へ水平展開するという。また、故障予測や資産管理などの分析サービスへの展開も予定しており、ドローンを活用した社会的課題解決に向けた取り組みを推進していく。

プレナブ社概要
会社名PRENAV, INC.
代表者Nathan Schuett
所在地San Carlos, CA USA
設立2013年10月
従業員数13名
事業内容インフラ点検を目的とする商業用ドローンシステムの開発