DJIは8月16日、データのプライバシー保護を強化するため、操縦アプリからドローンの飛行中のインターネット通信を停止できる「ローカルデータモード」を開発していると発表した。

DJIの操縦アプリは、地図やジオフェンシング(位置情報を使った仮想柵)データ、アプリの最新バージョン、正しい無線周波数や電力要件などの情報を取得するため、定期的にインターネット経由で通信を行っている。しかし、今回開発するローカルデータモードを有効にすると、インターネット経由のデータ送受信を停止することができ、飛行中に生成されたデータのプライバシー保護がより強化されるという。

飛行中にデータ通信を行わないことにより、飛行の安全性・機能性などの面において部分的にパフォーマンスの制限がかかることが想定される一方で、重要度の高いインフラ点検や秘匿性の高い商業取引、政府関連など機密性の高い業務での飛行においてはデータの保護レベルを向上させることができる。

DJIは、顧客データのプライバシー保護に努める姿勢を明らかにしており、ユーザーがフライトログをDJIサーバーと同期させたり、サイトに写真やビデオをアップロードしたり、修理サービスに依頼をしたりしない限り、ユーザーのフライトログや写真、ビデオなどを収集・アクセスすることはないという。

ローカルデータモードは、今後数週間のうちに、DJIの操縦アプリ「DJI GO」、「DJI GO 4」、「DJI XT PRO」、「DJI PILOT」、「GRAND STATION PRO」などの今後のバージョンに搭載予定だ。ただし、地域の規制や要件のためにインターネット接続が必要と推奨される場合には利用できない場合がある。

DJIのエンタープライズ・パートナーシップ担当のJan Gasparic氏は、「DJIの顧客基盤が、愛好家や個人ドローンパイロットから、プロパイロットや商業、政府、教育関係者まで急速に拡大していることを嬉しく思う」とし、ローカルデータモードを開発することで、より強化されたデータ管理オプションを提供し、ニーズに対応すべく取り組んでいると述べている。