アメリカ3D Robotics社は2017年8月1日、同社の土木建設工事向けドローン管理サービス「Site Scan」がDJIのドローンに対応すると発表した。

Site Scanは、土木建設工事に必要なデータをドローンを使って収集し、加工するサービス。タブレットにインストールした専用アプリケーション「Site Scan Field」で、飛行ルートや撮影条件などを設定し、ドローンを離陸させると設定通りのコースを飛行しながら、適切なタイミングを判断して自動的に地上の写真を撮影していく。

撮影した画像のデータはクラウドに届き、クラウドではそのデータから撮影現場の3Dモデルを作成できる。工事開始前に地形の特徴を見たり、工事中に切り盛りした土の量の変化を見て進捗を把握するなどといった使い方を想定している。また、撮影データからAutodesk社の土木建設業向け設計ソフトウェアに対応する形式のデータを出力することも可能だ。

業務用ドローンで圧倒的なシェアを誇るDJIのドローンに対応することで、個人の好みに合ったドローンでSite Scanを利用できるようになる。DJIで戦略的提携を担当するMichael Perry氏は「Site ScanがDJIのドローンに対応することは、土木建設及び設計の業界にとって大きな一歩だ」と語っている。

Enterprise Atlas

3D Robotics社はまた、新しいサービス「Enterprise Atlas」の提供を始めることも発表した。やはり建設、設計業界に向けたサービスで、Site Scanのようにドローンでデータを取得することを支援するものだ。

3D Robotics社はEnterprise Atlasを、大企業や急速な成長を続けている企業に向けたものとしている。そのような企業に向けて「Multiple access license」という機能を用意した。これはライセンスを保有するユーザーでも、職位や役割に応じてアクセスできるデータや利用できる機能を制限するものだ。

さらにEnterprise Atlasでは、顧客向けサポートを充実させている。例えばアメリカ連邦航空局(FAA:Federal Aviation Administration)のドローン運航資格の取得を支援するために教材を提供し、研修も実施する。また、作業中に問題が発生したときのために毎日12時間(7時~19時)電話で技術的な問い合わせに応じる。さらに、ドローンが故障したときは素早く代替機を提供する。代替機は故障したドローンの修理が済んで戻ってくるまで利用できる。