NTTドコモは2017年5月17日、ドローンを利用して携帯電話の通信エリアを拡大することを目指した実証実験を実施し、成功したと発表した。実験は群馬県吾妻郡長野原町で5月10日~5月17日の8日間実施した。

 実験に使用したドローンは、小型中継局を搭載しており、周辺の基地局の電波を捉えて中継する。この結果、ドローン周辺が臨時の通信エリアとなる。ドローンが搭載している中継局はドローンに搭載することを想定した専用品だ。

ドローン中継局は移動基地局車が入り込めないような場所にも対応できる

 今回の実験は、災害などで基地局が停止してしまったときを想定したもの。災害時は基地局の機能を備えた「移動基地局車」などを出動させているが、今回の実験で使用した「ドローン中継局」は、移動基地局車に比べて容易に持ち運べて、使う場所を選ばないという。災害によって地盤に亀裂が走るなど、自動車の行動範囲を制限するような事態が発生すると、移動基地局車は出動させようにも出動できないということになってしまう。その点ドローンなら、空を飛んでいるので場所を問わず、すぐに通信機能を復旧させることができるというわけだ。

 NTTドコモは2017年度下期中を目標に、空を飛ぶドローン中継局に地上からの電源を接続して連続24時間運用の実験を実施し、実用化を目指すとしている。