ブイキューブロボティクスと三重県は2017年2月24日、大規模自然災害を想定して、ドローンの映像伝送技術を活用する実証実験を実施したと発表した。ドローンが捉える映像をリアルタイムで複数の拠点に送信し、対策を協議する会議を開催した。

 実験の場となったのは三重県紀北町。南海トラフ地震や台風などの大規模自然災害で被害を受ける可能性が高い場所だ。紀北町内3カ所でドローンを飛ばして撮影し、その映像を関係行政機関の4庁舎にリアルタイムで伝送した。その上で、ドローン発着場所と関係行政庁舎を結んでビデオ会議を開催した。

三重県庁と撮影現場をつないだビデオ会議に様子

 実験の結果、災害現場と想定した場所の様子をリアルタイムで確認しながら、ビデオ会議で紀北町と三重県のそれぞれの行政機関が意見を交換することができた。この結果を受けて、今回使用したシステムを利用すれば、災害発生時などの緊急時に、関係者が連携しながら意思決定を下せると確認できたとしている。

 三重県の鈴木英敬知事は、今回の実験に使用したシステムを高く評価し、「来年度4月以降に本格導入したい」との意向を示した。