2016年3月17日に発売されたインプレスの調査報告書「ドローンビジネス調査報告書2016」から一部を抜粋し、お送りします。

日本国内のドローンビジネスの市場規模

2015年度の日本国内のドローンビジネスの市場規模は104億円と推測される。2016年度には前年比191%の199億円に拡大し、2020年度には1,138億円(2015年度の約11倍)に達すると見込まれる。
分野別では、2015年度はサービス市場が61億円と58.6%を占めており、機体市場が33億円(31.7%)、周辺サービス市場が10億円(9.6%)である。各市場とも拡大が見込まれており、2020年度においては、サービス市場が678億円(2015年度比約11倍)、機体市場が240億円(2015年度比約7倍)、周辺サービス市場が220億円(2015年度比22倍)に達する見込みである。
サービス市場は、現在、農薬散布や空撮など一部の市場が確立しているが、今後、橋梁等の検査や測量、精密農業、防犯、物流等の様々な分野でドローンが活用されることが見込まれる。
周辺サービス市場は、機体の稼働台数に比例する形で、保険やメンテナンス市場が拡大することが見込まれる。

ドローンビジネスの市場規模は、機体とサービスと周辺サービスの3つで構成される。
機体市場は、業務用(固定翼及び回転翼)の完成品機体の国内での販売金額。軍事用は含まない。サービス市場は、ドローンを活用した業務の提供企業の売上額。ただし、ソリューションの一部分でのみドローンが活用される場合は、その部分のみの売上を推計。公共団体や自社保有のドローンを活用する場合は、外部企業に委託した場合を想定し推計。周辺サービス市場は、バッテリー等の消耗品の販売額、定期メンテナンス費用、人材育成や任意保険の市場規模。

国内のドローンビジネス市場規模の予測
出所:インプレス総合研究所作成
ドローンビジネスのサービス市場における分野別内訳
出所:インプレス総合研究所作成

ドローンビジネスのロードマップ

ドローン市場について、ロードマップをまとめたものである。2016年までを「黎明期」、2017~2019年度を「普及期」、2020年度から「発展期」と分類している。5年間のあいだにドローン運用ルールの明確化やインフラ整備といった国や行政の取り組みおよびドローン関連技術の開発・研究・実用化が支えとなり、業務に利用可能な機体が普及する。また、機体の普及に伴い周辺サービス(メンテナンス業や保険業など)も立ち上がっていくだろう。当初は、空撮や農薬散布といった業務利用が多いが、測量、点検、農業(精密農業)、物流(拠点間搬送)、屋内業務(工場や倉庫)、その他(防犯など)などのビジネス市場が拡大していくことになる。

ドローン市場のロードマップ
出所:著者及びインプレス総合研究所作成