今回、NTTコミュニケーションズ(以下NTT Com)はLTE上空利用プランやdocomo IoT高精度GNSS位置情報サービスのほか、Skydio社のドローンを活用したドローンソリューションを展示した。

※2022年7月より、ドコモグループの法人事業の統合により、ドローンソリューションはNTT Comが提供。

広域なレベル4飛行の実施に最適なLTE上空利用プラン

 2022年12月5日の航空法改正に伴い解禁されるレベル4飛行は、有人地帯(第三者上空)で行う補助者無しの目視外飛行を可能とするもの。レベル4飛行は離島や山間部への物資運搬やより人口密度の高い地域上空での飛行などが想定されており、広域で安定的に確保できる通信が必要だ。

 NTT Comが提供している「LTE上空利用プラン」を導入することで、広域で整備されたLTE通信を使用することが可能になる。LTE上空利用プランは上空での安全なモバイルネットワーク利用を可能とし、目視外飛行や自動運航による長距離飛行でも、シームレスな飛行をサポートすることで農業や物流、災害対策など、さまざまなシーンで活用できる。機体の仕様に合わせて、ドローン本体に本プラン対応のSIMカードを挿入、もしくは同SIMカードを挿入したLTE対応端末を搭載することで利用できる。

 担当者はNTT ComのLTE上空利用プランの強みについて「NTTドコモ自体の国内に展開する広大な通信エリアが強みだ。携帯電話事業者の中では自社が最初にLTE上空利用プランを開始したこともあり、豊富なノウハウを活かして今後も展開していきたい」とコメントした。

ドローンの位置情報を補正して飛行中、着陸時の誤差を最小限へ

(NTTコミュニケーションズ提供)

 NTT ComはLTE上空利用プランの他、docomo IoT高精度GNSS位置情報サービスやSkydio社のドローンを活用したドローンソリューションを展示した。docomo IoT高精度GNSS位置情報サービスはレベル4飛行で利用される可能性が高い物流など、補助者がいない状態で自動航行する際、ドローンの位置がズレないようにセンチメートル単位で位置の補正情報を提供するサービスだ。

 GPSの位置情報では、どうしても約数メートルの誤差が発生してしまうため、docomo IoT高精度GNSS位置情報サービスを使用できるGNSS受信機をドローンに組み込むことで位置情報を補正し、自律飛行においても位置情報の誤差がほとんど発生しない飛行を実現させている。なお、ドローンメーカーでもdocomo IoT高精度GNSS位置情報サービスに対応した機器の販売が増えているという。

 NTT Comはこれらの屋外飛行向けのサービスだけではなく、橋梁点検や鉄塔点検の他、屋内飛行にも適したドローンである「Skydio 2+」「Skydio X2」を活用したソリューションも展開することで、業態・業種を問わず幅広い事業者にドローンソリューションを提供できる体制を整えている。

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