第1回ドローンサミットでは三大通信事業者であるNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの全社がドローンソリューションの展示を行った。ソフトバンクが展示したのは、「SoraSolution（ソラソリューション）」という「だれでも」「かんたんに」ドローンを活用できる一気通貫ワンパッケージのドローンサービスだ。

点検におけるドローン利活用の悩みを解決するSoraSolution

　SoraSolutionは導入前サポートからドローン機器の提供、飛行許可承認申請サポート、アプリケーションを活用したデータ分析、データレポート管理までをワンストップで提供するサービスだ。危険性が高かったり人間の立ち入りが困難だったりすることが多い点検業務を手軽に実施できる。

　SoraSolutionで利用できるデータ分析方法のなかには、オルソ化、鉄塔サビ検知AI、クラック検知AIなどがあり、ソフトバンクはAI技術を取り入れたドローンソリューションを提供している。AI解析機能は鉄塔のサビ具合や外壁のクラック（傷）をデジタル判定するため、ドローン操縦者の技術に依存しない点検を実施できるようになるのが特徴だ。どちらのAI解析機能であってもAIが異常状態を色分けしてデータ化するため、劣化度合いが一目で分かり、確認者の経験や熟練度によって左右されがちな確認作業などの効率化を図りながら均一化できるようになる。

　また、SoraSolutionで提供されるサービスには分析レポートの簡単出力機能やオルソ化機能も含まれているため、コンセプト通り「だれでも」「かんたんに」ドローンを活用できるサービスとして、今後ドローンによる点検を導入したい事業者の参入ハードルを下げることに寄与していると言えるだろう。

高精度位置測位サービスichimillによる誤差の少ない安定飛行を提供

　SoraSolutionには高精度位置測位サービス「ichimill（イチミル）」の提供も含まれている。イチミルは準天頂衛星「みちびき」などQZSS（準天頂衛星システム）やGPS、GLONASS、Galileoなどの衛星測位システムから受信した信号データを利用し、固定局と移動局の2つの受信機間でリアルタイムに情報をやりとりするRTK測位を行い、位置情報をより高精度に測位するサービスだ。もっとも分かりやすい例としてはイチミルを使用すれば、指定した場所への自動帰還もズレを最小限に抑え、高精度で着陸が可能となる。

　定点観測に近い飛行を実現できるようになるため、点検時に異常箇所をより正確かつ精密に捉えて遠隔からのドローン操縦も安全に実施できるのがイチミルを利用するメリットだ。

　SoraSolutionはすでにさまざまな場面で導入されており、広域での作業や多数の人員確保が必要となる、大規模施設の点検でも利用されている。SoraSolutionに含まれているサービスを利用することで、自動運航による再現性の高い点検を実施でき、人材不足や操縦者の技量依存などの課題を解決した。加えて、足場を組んだり危険作業を行ったりする必要がなくなったため、安全面やコスト面においても大きく貢献していることが分かる。

　担当者は「今後も携帯電話事業者としての色を出しながら、ソフトバンクならではのサービス提供を行っていきたい」とコメントした。

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